Question

数年前、単発性線維性腫瘍(良性中皮腫)と言われました。先生も「直接石綿の仕事もしてないのなら、非常に珍しい事だよ」って言われましたが、幸い良性で手術はしていません。どういう病気なのでしょうか?

Answer

線維性の腫瘍でCD34(+)がマーカーです.良性から悪性まであります.これまでは,localized fibrous mesotheliomaと呼ばれていました.石綿との関係はないと考えられています。

亀井敏明編著.アスベストと中皮腫.東京:篠原出版新社;2007:1-299

Question

父が胸膜中皮腫になりました。①原因が思い当たらないのですが、どう調べたら良いのでしょうか?②父の中皮腫は上皮型と言われましたが、中皮腫にはいくつかのタイプがあるのでしょうか?

Answer

①お父様ご自身が覚えていなくても、当時の職場の方が覚えている場合があります。また、実際にお父様が石綿に触れていなくても、周囲で石綿を扱う作業が行われていたなら、その空気を吸ってしまうことになります。会社の仲間の方をお探しになりお話を伺う事が最初の一歩です。

②中皮腫には上皮型、肉腫型、二相型の三つのタイプがあります。肉腫型は進行が早く上皮型はやや緩やかで二相型は上皮と肉腫の二相をもつ中間型と考えられています。

Question

60才の私は胸膜中皮腫になりました。10代で数年石綿工場の10m近くで過ごし、結婚後10年住んだ鉄骨建物に吹き付け石綿がありました。今後どうすれば良いのでしょうか?

Answer

環境再生保全機構の救済給付は申請されていますか? まだでしたら早急に申し込んでください。治療費と毎月の給付金が出ます。ご病気の原因は石綿工場のそばに住んでいたことが有力です。しかし、労災は職場での曝露が無い場合は認定されません。これまで全くお仕事はされませんでしたか? お心当たりございましたら、私たちのようなアスベスト関連疾患に詳しいNPO団体にご相談いただくことをお勧めします。手続き等について詳しくご説明いたしますので、アスベストセンターのオンライン相談よりご相談ください。

Question

母が胸膜中皮腫になりましたが、仕事は若いときに10年事務職で、その後事務職の父と結婚し、数回転勤しました。主婦として30年過ごしており、環境による中皮腫と思います。今後どうすれば良いのでしょうか?

Answer

これまで、これからも治療費が必要となりますので、すぐに環境再生保全機構にご連絡し救済給付を申請してください。この給付は、原因は不明でも中皮腫であることが間違いなければ認定されます。申請受理後の治療費と毎月10万円程度の給付がなされます。お母様が原因を追究したいとご希望であればご相談下さい。事務職の現場で何かアスベストに関係していたビル等があるかもしれません。

Question

夫が腹膜中皮腫になり、死亡しました。解剖して病理検査中です。アスベストとの関係はなかったようですが。

Answer

腹膜中皮腫の診断が確かであれば、どこかでお気づきにならない石綿曝露があったか可能性が高いと思います。建物、環境、気づかない職業等です。詳しくお調べになりたい方は、私たちのようなアスベスト関連疾患に詳しいNPO団体にご相談いただくことをお勧めします。アスベストセンターのオンライン相談よりご相談ください。

Question

私は20代から、建築ゼネコンの現場監督を30年してきました。仕事をしながら大学に通い、真面目に仕事をしてきました。私の会社は質の良い仕事をする事で知る人は知る会社で、わかる方にはわかる建築が色々あります。しかしそのビルの建築で、吹き付け石綿もありましたし、石綿建材の掃除は監督の私が率先して毎日してきました。中皮腫と言われ最初はよくわかりませんでしたが、最近は仕事でなった事がよくわかります。私の会社では今の所中皮腫は私だけですが、特別なのでしょうか?

Answer

私の知る限りでは、有名な大手ゼネコンほぼすべてで、中皮腫の方がいらっしゃるように思います。あなただけでは、ありません。石綿を吸入された方では、良性疾患の(ごく初期の)石綿肺や胸膜肥厚斑の方は、年齢や曝露期間で異なりますが、10~30%に達しますが、石綿肺ガンや中皮腫は死亡者の現在1%以下の疾患ではないかと思います。元々稀な疾患ですので、だれでもなるというものとは違います。

厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153 

Question

私の知り合いの女性は、中皮腫で10年前になくなりました。解剖をしましたが、造船所勤務の夫の作業服の洗濯による家族曝露の中皮腫と医師から説明がありました。この間の報道で昔の事を思い出しました。

Answer

旅立ちに謹んで哀悼の意を表します。1960年の南アフリカの中皮腫の論文は、1970年代以降中皮腫の方を担当した臨床医師の多くが読みながら、学会で報告した論文で、職業だけでなく家族曝露と環境曝露が記載されていました。日本の医師でも家族曝露や環境曝露に注意していた人もいました。1950年代や60年代に日本の対策がすすんでいれば、防げたと思うと残念です。

Question

私仕事で石綿を扱った事もありませんし、夫も父もそういう仕事ではありませんが、中皮腫といわれました。唯一あるとしたら、石綿製造工場から数百mの学校に10数年通学していました。環境中皮腫なのでしょうか?

Answer

その可能性は、高いように思います。石綿関連疾患に詳しいNPOと相談しながら、原因の確定、医療機関からの資料のかり出しを行って行きましょう。