Question

10代の頃、1年ほど解体の仕事をしていました。また、家の中にも震災後に穴の開いた個所があり、穴埋めもせずに普通に暮らしておりました。このような理由で心配です。レントゲンを送ります。

Answer

解体は高濃度曝露作業です。石綿関連疾患になりやすい方ですので、アスベスト疾患に詳しい医療機関を受診して健診を年2回定期的にうけてください。石綿健康管理手帳制度の対象になる場合が多い様に思います。

厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153

Question

歯科技工士で中皮腫になった方の話を伺いました。歯科技工の中で使用する石綿製品として、何がいけないのでしょうか?

Answer

歯科技工士は、義歯作成時の石綿リボンの使用時、石綿リボンを取り出した後の水が乾燥した箇所からの曝露、電気炉扉と内部の石綿からの曝露、その他にも稀ですが石綿製品を使用しています。歯科技工の部屋は一般に狭く、過去では局所排気装置がない部屋でしたから、石綿濃度は一定の濃度であったと考えられます。現在歯科技工士の部屋の石綿濃度を測定した論文はないと思います。

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Question

自動車部品加工工場の夫の職場(50人程度)に関してです。この10年間、天井の吹き付けの何かがよく剥がれて落ちてきます。そのため、棒で突っついたり、掃除を頻繁にしています。会社はまじめに取り合ってくれません。何とか正体をつきとめ、対応したいです。

Answer

粉じんの状況がひどそうなので、サンプルを送ってください。場合により、会社の組合、労基署、保健所への通報も視野に入れてください。

Question

ガラス工場に長年勤務してきました。じん肺や石綿肺だけでなく、最近中皮腫になった人がでていると聞き、心配です。今後、どの程度の健康診断を受ければ良いのでしょうか?

Answer

低濃度~中等度の職業性石綿曝露があったと思われます。石綿関連疾患になりやすい方ですので、アスベスト疾患に詳しい医療機関を受診して健診を年2回定期的にうけてください。石綿健康管理手帳制度の対象になる場合が多い様に思います。

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Question

ゴム・タイヤ工場に40年勤務してきました。じん肺や石綿肺だけでなく、最近中皮腫になった人がでていると聞き、心配です。今後、どの程度の健康診断を受ければ良いのでしょうか?

Answer

低濃度~中等度の職業性石綿曝露があったと思われます。石綿関連疾患になりやすい方ですので、アスベスト疾患に詳しい医療機関を受診して健診を年2回定期的にうけてください。石綿健康管理手帳制度の対象になる場合が多い様に思います。

厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153

Question

屋根工ですが、石綿スレート板をつけかえるとき不安です。波板スレートの飛散の危険は、どのくらいでしょうか?

Answer

スレートなどのアスベスト含有建材を破砕しながら除去するとアスベスト粉じんが飛散することが知られています。バールなどで破砕しながら除去作業を行うと、リットルあたり数千本のアスベスト繊維が発生します[*2]。例えば仕事でアスベストを使用して1リットル当たり150本のアスベストに曝露する場合、一日8時間週40時間の曝露を50年間続けた労働者の1000人に一人はガンを発症するとされています[*1]。仮に石綿含有スレート材の破砕除去時に1リットル当たり1500本の石綿に同様の条件で曝露した場合は100人に一人ガンが起きる可能性があります。このような作業は実際には毎日8時間おこなうわけではないですが、こうした高濃度の曝露が度重なることにより数十年後にガンを発症する可能性が増していきます。除去作業の周辺での濃度は作業場と比べて10分の一から1000分の1程度かもしれませんが、発ガンリスクを上げることは間違いありません。以上から「石綿障害予防規則」や「大気汚染防止法」などにより建築物の解体・除去作業の際のアスベスト粉じんの飛散防止対策についての規制があります。スレート板の場合は散水などにより材料を湿潤化して飛散を抑制し、さらに破砕せずに除去することが必要です。これらの対策が適切に実施されれば、気中石綿濃度は上昇することなく、作業する人も周辺の住民も石綿に曝露されることはありません。

[*1] 日本産業衛生学会による許容濃度の勧告、クリソタイルの場合
[*2] アスベストセンターホームページ 様々な建築アスベスト濃度

Question

私の親は、クロム鉱山で仕事をしていました。以前、中皮腫というような病気で亡くなりましたが、当時は石綿との関連は考えませんでした。石綿以外の鉱山でも、アスベストによる病気になる事はあるのでしょうか?

Answer

他の鉱物の鉱脈の近くに石綿の鉱脈があれば、当然吸入する事があります。クロムの採掘で石綿を吸入するわけです。可能性は十分ありますので、以前お勤めの鉱山とその土壌の岩石を図面や実物で調査してみましょう。

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Question

私の夫が、化学工場で勤務して中皮腫になりました。塗料製造工場なのですが、液だれの防止でクリソタイル (白石綿)の投入作業がありました。石綿の危険は、夫だけでなくて周囲の方にもあったのでしょうか?

Answer

白石綿の袋からの投入作業では、周囲に目に見えない石綿が拡散していたのは明らかです。投入場所が高濃度で、数十m周囲の方も数十から数百繊維/Lとなったと思います。1日に何度も投入作業があれば、工場の一定範囲が1日中ある程度の石綿濃度であったと思います。

厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153