Question

発電所で勤務していた家族に中皮腫のものがでました。発電所では石綿の使用が多いのでしょうか? 

Answer

発電所や変電所(変電室)は、吹き付け石綿やその他の石綿建材が多い所として知られています。詳しくは、石綿曝露歴の手引き(厚生労働省)を参考にしてください。

厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153

Question

漁業の人の石綿関連疾患の話を聞きません。私は長年漁業をしていますが、胸膜肥厚斑があると石綿に詳しい病院の先生から聞きました。漁業と石綿の関係を教えて下さい。

Answer

漁業の石綿間連疾患の論文はないようです。しかし大型漁船では排気管、機関、煙突、冷蔵庫、冷凍庫等に石綿(アスベスト)製品が使用されているので、保守管理等や造船所での点検時等で石綿(アスベスト)曝露があるという関係者が見られます。加工で使用した乾燥機の石綿使用も知られます。また漁閑期の作業として建築業や発電所に勤務して石綿(アスベスト)作業がある漁業関係者で、胸膜肥厚斑が認められていますので、そのどれかに該当されているのではないでしょうか? 今後、漁業での中皮腫の発症がありうると思います。

Question

農業でも中皮腫の人がでていると聞きました。どういう方に発症しているのか?教えて下さい。

Answer

1990年代後半の論文でも、職業が農業である中皮腫が報告されています。中皮腫事例の石綿曝露箇所は不明ですが、農業自体なのか、農閑期の建築業や出稼ぎでの建築等の作業等が想定されています。農業では、石綿スレート板製品や吹き付け石綿、タルク他様々な石綿製品がありますので、今後あらたな曝露形態が判明するかもしれません。

Question

農業でもアスベスト製品が使用されていると聞きました。どういう箇所に使用されているのか? 教えて下さい。

Answer

農業用水には石綿水道管が大量に使用されてきました。畜舎や養蚕用に、石綿スレート製品が大量に使用されてきました。農業関連建物に、吹き付け石綿が使用されてきたものも2007年現在で残存しています。農薬にタルク等が使用され、一部に石綿含有があったとされています。農業用機械のブレーキ等一部に石綿製品が使用されてきたとされています。土壌自体での曝露は日本では報告事例は論文としては、ないと思います。

Question

鉄道作業の、関連曝露場所はどこでしょうか?

Answer

2005年6月のクボタ・ショック直後に国土交通省がJRなどの鉄軌道事業者や鉄道車両等製造業者を対象として実施した調査(国土交通省HP「運輸関連企業に係るアスベストによる健康被害等の状況に関する調査について」)では、全国の少ないからぬ駅舎で耐火被覆材や吹き付け材として使用されたアスベストが旅客用のスペースに露出していたことが報告されています。車両については、床下の抵抗器や配電盤などの断熱材としてアスベストがまだ多くの車両で使用されていたことが同調査で報告されていますが、旧国鉄時代には、車両の壁面内部に大量に吹き付けアスベストが使用されていたようです。これは、国鉄民営化後の1988年当時旧労働省が鉄道車両の解体等に伴って石綿を除去する作業の曝露防止対策の通達を出していたことでも明らかです(「石綿除去作業、石綿を含有する建設用資材の加工等の作業等における石綿粉じん曝露対策の推進について」(基発第200号昭和63年3月30日)。

Question

父は鉄道員で、車両の修理を長年していました。最近胸膜中皮腫と診断されました。鉄道関連の石綿疾患のリスクについて、おしえてください。

Answer

鉄道員で旧国鉄時代に特に車両の修理作業に従事されてた人の石綿関連疾患のリスクは非常に高いと考えていいと思います。旧国鉄を引き継ぐ鉄道建設運輸施設支援機構国鉄清算事業本部は、工場や機関区・電車区などの機関車や電車、貨車などの検修作業で中皮腫、肺ガン、石綿肺、びまん性胸膜肥厚を発症し、業務災害として認定した件数が124件あることを公表しています(国鉄清算事業本部HP平成9年11月9日付け)。同本部は、旧国鉄時代に石綿取り扱い作業に従事した対象者は約10万人もいると言っていますので、これからも旧国鉄職場で働いた人たちの石綿関連疾患の被害者は増えていくと考えられます。なお、国鉄民営化後、JRで働いて石綿関連疾患で労災認定された人は少なくとも3人いることがわかっています(JR東日本長野総合車両センターで1人、JR東日本鎌倉総合車両センター1人、JR貨物1人、いずれも中皮腫)。

厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153

Question

以前建築の日雇い作業で石綿曝露し良性石綿胸水となりました。日雇い作業時の就業と石綿曝露の証明をしないと労災の手続きがうまくいかないといわれています。どうしたらよいのでしょうか?

Answer

良性石綿胸水の労災申請については、ほかの石綿疾病と異なり、全例、石綿作業と医学的所見などを労働基準監督署が調査した上で、厚生労働省本省に協議することになっています。監督署が単独で決定できず、診断も難しいとされていますから、専門家と慎重に検討した上で申請したほうがいいです。建築日雇いの就業と石綿ばくろ(石綿粉じんの吸入)については、本人以外に同僚一人以上の供述が必要です。現場ごとの年次・元請・下請・石綿の直接間接ばくろの状況などをまとめてください。転々労働者の石綿作業従事歴の事実認定については、2005年7月27日に厚生労働省補償課長より「石綿による疾病に係る事務処理の迅速化等について」という事務連絡(基労補発0727001号)が出されています。その中で、①耐火建築物に係る鉄骨への吹き付け作業、②断熱若しくは保温のための被覆またはその補修作業、③石綿スレート板等難燃性の建築材料の加工作業、④建築物の解体作業、⑦”①から⑥”の作業が行われている場所における作業に従事していたと判断できる場合には、石綿ばくろのおそれがないことが明白な場合を除き、被災者が石綿ばくろ作業に従事していたと事実認定するよう指示しています。つまり、上記作業についていたなら、石綿建材の種類とか細かい状況を必ずしもおぼえてなくとも、労災認定すべきだということです。(2006年度の回答です)

Question

造船所で事務職として40年勤務してきました。同僚の中には、石綿吸入を心配する人もいます。今まで造船場は工員でも一部の人しか年2回の特定化学物質の健診が行われず、石綿肺や中皮腫や肺ガンがでた職場の人が怒っては、健診対象が増える事が何度かありました。造船所の事務職でも中皮腫になった人の話を聞きますが、健診は必要ないのでしょうか?

Answer

造船所の職員の方が心筋梗塞や肝臓ガンや様々な病気で解剖された際の肺の石綿小体を調査した結果が報告されています。石綿小体数は、1000本以上が職業性曝露の基準とされているのですが、事務職含めた全職種で1000本以上でした。施行管理や試験立会い等で船内に入ることがあるのが造船工場の事務職ですし、作業服をきた現場工員と食堂含めて接するのも工場事務職です。工場と全く離れた本社事務なら別ですが。工員以外の職員の中皮腫の発症も報告されており、年2回の特定化学物質健診の対象であり、現在は全職種が、石綿則健診・石綿健康管理手帳の対象と考えられます。(2006年度の回答です)

Y.Natori, H.Ishiwata, H.Akabane et.al. The relationship between shipyard works, asbestos-associated pathological findings and number of asbestos bodies in autopsy lung. Advances in the Prevention of occupational Respiratory Diseases. :Elsevier Science ; 1998: 832-837

Question

アスベスト会社に勤めていた7年間、機関車や保温材製品を生産する工場にいました。マスクは着用しましたが、粉じんがひどかったです。労基署の検査時には作業中止して取り繕っていました。現在、病気ではありませんが咳、痰があります。

Answer

高濃度の石綿を吸入されたと思います。石綿関連疾患が疑われますので、アスベスト疾患に詳しい医療機関を受診してください。労災補償の対象となる場合もあるように思います。またわからないことがあれば、相談してください。

厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153

Question

現在60代で20代で1年半、溶接に使用するアセチレンガスのボンベにアスベストをつめる仕事をしていました。同僚とも40年以上交流がありませんので、現在の状況も判っておりません。記憶では当時は防塵マスク等もしておらず、手ぬぐいで口をふさぐ程度だったと思います。こういう仕事に従事していた人が総て発症するのかどうかも心配ですし、不安です。現在は何事もなく生活しておりますが、今後どうすれば良いのか、お聞かせ頂ければと思います。

Answer

そのころのお仕事でアスベスト粉じんを吸っていれば、中皮種や肺ガンなどの原因になる可能性はあります。お仕事でどのくらいの粉じん濃度の中で働いていたのかを確認する必要があります。仕事に従事していた人がみんな発症するわけではありません。個人差があり、現在何事もないとのことですが、ご心配であれば定期的に健康診断をして、肺のレントゲン写真等で確認をされたらいかがでしょうか。中皮種はタバコとの因果関係はないといわれていますが、アスベストを吸った方が喫煙を続けますと肺ガンになるリスクが上がることが知られています。もし、喫煙をされているようでしたら、禁煙することをお勧めします。