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ニューヨーク市ウッドストックでは石綿セメント管由来の石綿が高い地区とされ、クリソタイル (白石綿)が0.7~1700百万本/L、クロシドライト (青石綿)等角閃石系石綿が0.29~148百万本/L(0.0も4地区あり)の結果となっています[*1]。水の中の石綿が高濃度になる由来としては、土壌の石綿から湖や川への流入、アスベスト水道管からの剥離等による濃度の上昇が疑われています。水のアスベスト自体は飲食では問題ないとされています。水道水中の石綿が17~31.0百万本/L(クリソタイル16.0~29.3百万本/L、角閃石系1.6~1.7百万本/L)の家の、空気中の石綿濃度は0.073~0.19f/cm3、0.15~2.6百万本/L(クリソタイル0.14~2.47百万本/L、角閃石系0.0~0.15百万本/L)の家の空気中の石綿濃度は、0.028~0.046f/cm3でした。建材等の石綿飛散元は想定しにくい家で、水道水の石綿が家屋内に飛散したものと考えられました[*2]。常時この濃度とすると健康障害が生じる濃度なので、気になる結果です。現在日本の大気には、0.1~0.3本/Lの石綿繊維があり、水道の水は乾燥して大気に飛散し一時的に室内は濃度が高まりますが、拡散し大気濃度に近づきくと推定されます。同様に大気中の石綿が衣類についたり飛散したりも絶えず起きている事と推定します。吹き付け石綿は洗濯でほとんど衣服に残らない事が報告されています[*3]。こうした大気、生活、水間の研究が少ないのが一つは問題です。
[*1] Weber JS et.al., Asbestos in drinking water supplied through grossly deteriorated A-C pipe.J Am Water Works Assoc 81(2).80-85.1989
[*2] Weber JS et.al., Asbestos-contaminated drinking water: Its impact on household air Environ Res 46(2)153-167.1988
[*3] Robert N Sawyer et al Asbestos Exposure in a Yale Building Analysis and Resolution, Environmental Research: Vol13 P146-169, 1977