Question

以前建築の日雇い作業で石綿曝露し良性石綿胸水となりました。日雇い作業時の就業と石綿曝露の証明をしないと労災の手続きがうまくいかないといわれています。どうしたらよいのでしょうか?

Answer

良性石綿胸水の労災申請については、ほかの石綿疾病と異なり、全例、石綿作業と医学的所見などを労働基準監督署が調査した上で、厚生労働省本省に協議することになっています。監督署が単独で決定できず、診断も難しいとされていますから、専門家と慎重に検討した上で申請したほうがいいです。建築日雇いの就業と石綿ばくろ(石綿粉じんの吸入)については、本人以外に同僚一人以上の供述が必要です。現場ごとの年次・元請・下請・石綿の直接間接ばくろの状況などをまとめてください。転々労働者の石綿作業従事歴の事実認定については、2005年7月27日に厚生労働省補償課長より「石綿による疾病に係る事務処理の迅速化等について」という事務連絡(基労補発0727001号)が出されています。その中で、①耐火建築物に係る鉄骨への吹き付け作業、②断熱若しくは保温のための被覆またはその補修作業、③石綿スレート板等難燃性の建築材料の加工作業、④建築物の解体作業、⑦”①から⑥”の作業が行われている場所における作業に従事していたと判断できる場合には、石綿ばくろのおそれがないことが明白な場合を除き、被災者が石綿ばくろ作業に従事していたと事実認定するよう指示しています。つまり、上記作業についていたなら、石綿建材の種類とか細かい状況を必ずしもおぼえてなくとも、労災認定すべきだということです。(2006年度の回答です)