Answer
動物実験で石綿を吸入した場合でも、肺中に残存している石綿繊維は、100倍程度違うとされています。同じ石綿を同じ期間吸入していても、動物では100倍の残存繊維の違いがあるという事です。その違いは、個体の鼻や気管等の構造の違い、繊毛等の排出力の違い、免疫をつかさどる細胞の差もあると推定されます。人の場合でも同様に、個人での粉じん・石綿の排出の個人差があると推定されています。更に、石綿が作用する肺内の線維形成能や、中皮腫や肺ガンの感受性の個人差もありますので、同じ石綿を吸入しても1000倍近い個人差がうまれる可能性があるのではと、思われます。