Answer
大気汚染防止法が、1980年代後半に石綿工場の敷地境界の濃度を当面10繊維/L以下に定めたことを基にした説明のようですが、正しくないと思います。厚生労働省は、産業現場での白石綿 (クリソタイル)の管理濃度は150繊維/L、産業衛生学会もそれ以外の石綿の濃度は30繊維/Lとしています。この基準は作業現場で、18歳から数十年間1日8時間この石綿(アスベスト)濃度に曝露された場合に、1000人に1名が肺ガンと中皮腫になる濃度なのです。環境基準は一生で24時間の曝露ですから、10万に1人とか100万人に1名の健康障害以下になるよう、産業現場の100倍等の厳しい基準を求められます。大まかに考えても、産業現場の1/100以下であれば0.3繊維/Lや1.5繊維/Lとなるわけで、10繊維/Lで安全ということはありません。詳しくお知りになりたい方は、当センターのHPをご覧下さい。