Question

現在の環境中の大気に含まれる石綿(アスベスト)濃度は、0.1~0.3繊維/Lと伺います。この濃度でも中皮腫がおこりうると聞きましたが、そうなのでしょうか?

Answer

石綿は中皮腫や肺ガンをおこす発ガン物質で、閾値はないと考えられてきています。厚生労働省は、産業現場での白石綿 (クリソタイル)の管理濃度は150繊維/L、産業衛生学会もそれ以外の石綿の濃度は30繊維/Lとしています。この基準は作業現場で、18歳から数十年間1日8時間この石綿(アスベスト)濃度に曝露された場合に、1000人に1名が肺ガンと中皮腫になる濃度とされています。大まかな計算ですが、仮には百万に1人が作業現場で中皮数と肺ガンになる濃度にすると、白石綿の濃度は0.15繊維/L、それ以外の石綿の濃度は0.03繊維/Lとなります。現在の大気濃度で百万に1人の中皮腫・肺ガンが、「工場周囲ではない純粋な大気」により生じていることがわかります。詳しくお知りになりたい方は、当センターのHP、早稲田大学村山教授の論文をごらん下さい。

Categories A)-1環境

2009年段階の内容です。