Question

50cm×60cm×60cmの家庭用・陶芸用の釜の内側に、20cmの石綿が付いています。1年に6回程度の使用で、屋外(ベランダ)に置いています。どのくらい危険でしょうか?

Answer

アスベストの曝露(アスベストの繊維を吸い、肺の中に入ること)によりガンを発症させるリスク(危険度)は曝露の量が多くなるほど増えます。例えば仕事でアスベストを使用して1リットル当たり150本のアスベストに曝露する場合、一日8時間週40時間の曝露を50年間続けた労働者の1000人に一人はガンを発症するとされています1)。作業の内容が詳しく分かりませんが、仮にご質問の釜を扱う作業で空気中のアスベスト濃度が15本、作業時間が2時間で年に6回を50年間とすると、およそ170万人に一人がガンになる可能性があります。このリスクが許容されるかどうかは当事者が判断することになります。いすれにしても、アスベストのリスクは曝露がわずかであってもその量に応じて増加するので、できるだけ曝露しないようにすることが重要です。劣化が激しく、明らかに飛散がある場合は石綿を取り除き、無石綿の製品に交換することをお勧めします。

1)日本産業衛生学会による許容濃度の勧告、クリソタイルの場合