Question

石綿肺ガンの認定の考え方が、欧米では違うと聞きました。説明してください。

Answer

石綿肺ガンは、現在では石綿濃度・吸入年数に比例して増加すると考えられています。石綿関連疾患の標準的診断指針であるヘルシンキ・クライテリアは、25繊維・年数の曝露で、石綿肺ガンは2倍になるとしています。25繊維・年数に達した職業性石綿(アスベスト)曝露がある人は認定するという考え方が主流となり、ドイツ、その他の欧米諸国にひろがってきています。日本でも2006(平成18)年2月の労災の中皮腫・肺ガンの認定基準の変更で、こうした考え方が始まってはいるのですが、過去の胸膜肥厚斑や石綿小体数を重視する考え方も残っており、胸膜肥厚斑や石綿小体が少なくても石綿曝露が一定あれば労災認定するという部分の考えが十分広まっていないといえます。