Question

最近、中皮腫の早期診断ができる血液の話を時々聞きます。どのくらい確かなのでしょうか?

Answer

胸膜中皮腫は、症状がでたり胸水の貯留や胸部レントゲン写真で確認できる時期での発見された場合は、ステージⅠbやⅡ期である場合が多く、早期診断方法として腫瘍がつくる物質の採血でのチェックが期待されています。オーストラリアで見つけられたメゾテリンと関連物質が、注目を集めています。上皮型の中皮腫で高値となり、手術や抗ガン剤で腫瘍が切除もしくは減少すると測定値も低下することがわかっています。中皮腫の発症前に高値となった報告があったことから早期診断に期待が高まっていますが、高値例がすべて中皮腫ではなかったり、高値である際にどの程度検査で見つけられるかという問題もあり、診断精度に今後の工夫が必要といえます。将来的には中皮腫の早期診断の重要な手段で現在積極的な研究段階です。現在はリスクのある人すべてに勧める段階ではない検査と思われます。

亀井敏明編著.アスベストと中皮腫.東京:篠原出版新社;2007:1-299