Answer
地震直後に被災地の大気自体を吸入する公道を歩いている時点は、国家検定付きの石綿用防塵マスクをしなくても良いと思います。しかし、判定の際に建物に近づいたら建物床一面に囲い込みの天井材と共に吹き付け石綿が飛散している現場では、国家検定付きの石綿用防塵マスクが必須になるでしょう。民間の判定士の方が、判定に際して被災地の石綿を多く吸入する機会を考えると、床一面に吹き付けアスベストが落下している建物自体が「危険」「注意」判定されている現場が一番危険です。しかしこの場合の石綿濃度測定結果は、今まで報告例がほとんどありません。常識的に考えて危険ですから、国家検定付きの石綿用防塵マスクが必須でしょう。外装材が公道に落下し公道に吹き付け石綿の落下が見られる、地震後数日の現場は、中越地震の際に測定事例があります。0.31~0.57f/Lで石綿濃度の上昇は認められますが、著しいものではありませんでした。今後地震時の石綿濃度測定を積み重ね、外装材が公道に落下し公道に吹き付け石綿の落下が見られる地震後数日の現場の防塵対策を決める必要があるでしょう。地震の際の知見の少ない現状では、安全サイドで考えると、外装材が公道に落下し公道に吹き付け石綿の落下が見られる地震後数日の現場で判定される場合には、国家検定付きの石綿用防塵マスクを装着される事をお薦めします。