Question

私の友人も去年までの5年間ほど「解体業」に従事しており、自ら「アスベストを吸ってしまったと思う」と自覚しています。とても小さな会社だったために指導も徹底されておらず、防塵マスク等の対策もいいかげんだったようです。「今後」がとても心配になり、さまざまなサイトを見てみたものの悪性胸膜中皮腫との関連、発症後の治療や、その厳しさは書かれていても発症前の対処についての記述がみつかりませんでした。自覚する症状は全くないようですが、発症前の長い時間、手をこまねいて見ているしかないのでしょうか。潜伏期であるかもしれない状態で「発症を防ぐ」、もしくは「遅らせる方法」について、今すべきことは何か教えていただければ幸いです。

Answer

解体業で5年間という事ですから、今後一般の方より、石綿関連疾患の発症はやや高いと思います。しかし全員が発症する訳ではなく、ある造船所では10%程度の方が発症し、残りの90%の方は発症していません。発症の平均が吸入後40年(早くて20年程度~60年)ですから、24才から29才まで吸入した方が注意する時期は、44才以降で、特に55才以降が注意する時期です。30代~40代は全く健康な方がほとんどです。残念ですが、石綿疾患の発症を防ぐ有効な薬や食事はあれば良いのですが、ないのが世界的な実情です。タバコは危険で、喫煙されているなら是非禁煙して下さい。

厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153