Question

S40年代後半に3年間、石綿会社でクロス切断、パッキング打ち抜きというアスベスト専門の仕事をしていました。現在は運送の仕事をしています。今後の健康影響が心配です。

Answer

短期間ですが、中等度以上の石綿曝露があったと思います。石綿関連疾患になりやすい方ですので、アスベスト疾患に詳しい医療機関を受診して健診を年2回定期的にうけてください。石綿健康管理手帳制度の対象になる場合が多い様に思います。(2006年の回答です)

Question

私の務めている工場には、200c~300度の温度で使用される釜があるのですが断熱材に石綿が使われています。石綿断熱材は、厚さ10cmで金網がついている形式のものです。(50~60)cm×90cmで交換は何十年もしていません。既に一部ボロボロしている部分もありますが、交換はしていません。あと数年で仕事はやめますが、今後病気がでるのでしょうか?

Answer

保温材として使用されている石綿製品の危険に関するご質問と思いました。保温材はボード等と比べるとやや飛散しやすい製品で、体や道具でこする場所にあると飛散すると思います。人とは離れた所にあればあまり飛散しにくいと思います。工場で他に石綿製品が使用されている場所があるかどうかが一つです。

Question

先輩が耐火金庫製造で、中皮腫になりました。私も、1960年代に10数年金庫製造業で、月に4日ほど耐火金庫の製造や設置で、白石綿 (クリソタイル)の金庫周囲への詰め込みや囲む作業をしていました。今後、どのくらいの健康診断をうければ良いのでしょうか?

Answer

10数年の白石綿作業が、月数回あったとのことです。回数が少ないので、石綿肺になる方が少ないのかもしれません。中皮腫や肺ガンのリスクもあるので、年2回の石綿健診の対象だと思います。

厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153

Question

造船所で、35年間設計の仕事をしていました。会社の退職者健診で、胸膜肥厚斑があると言われました。造船所では、40年間にも溶接じん肺は問題にされていましたが、石綿への注意も特化則の健診は一部しか行われませんでした。設計の私が何故胸膜肥厚斑になるのでしょうか?

Answer

造船作業は、狭あい箇所で多くの職種が完成日前に混在して作業するのが特徴です。1950~1970年代に吹き付け石綿作業も多く、その近くで設計者も確認に立ち会われていたでしょう。石綿ボードや、火よけの石綿布の使用、掃除等の脇での中間検査等の立ち会いもあったのではないでしょうか。そうした機会で造船所の全職種が石綿曝露をしたと思われます。

厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153

Question

A市で20年間、温水器の防熱工事をしてきました。毎日91cm×45.5cm×0.5cmの石綿板2枚をたてかけて工事をしてきました、今は処分しましたが、今後どのくらい発病があるのでしょうか?

Answer

石綿板は石綿含有スレート板のようなものと思いますが、「たてかけて」の意味がよくわかりません。石綿板は切断、研磨などの加工を行わない場合は石綿の飛散はほとんどなく、それにより肺ガン、中皮腫の病気になることはありません。石綿板を電動工具で切断すると、1リットル(1辺10cmの立方体)中に数千本程度の石綿繊維が飛散することが分かっていますが、例えば1日平均して1リットル当たり150本の石綿を50年間吸い続けると1000人に1人の割合で肺ガン、中皮腫が発症し、1リットル当たり15本の場合は1万人に1人の割合です(石綿の種類が白石綿 (クリソタイル)の場合)。「温水器の防熱工事」とのことですが、断熱工事は特に石綿を多く使用する職種です。ご質問の内容以外に断熱材などで石綿を使用することがある場合は石綿による発ガンリスクはもっと高くなるので注意が必要です。

Question

水道関連の作業に40年間従事してきました。道路の上水道のエタニット管の埋設作業や、ビルの耐火部の石綿パイプの切断作業も15年間は携わってきました。クボタ以降、会社からきた案内で石綿健診を受けましたが、結果は異常なしと言われいます。但し知り合いは中皮腫になった方もでて、今後の健康管理が心配です。

Answer

15年間の石綿関連作業ですから、石綿肺及び中皮腫や石綿肺ガンが発症する可能性もあると思います。現在石綿肺はないようですが、最低年に1回の健康診断は必要ですし、本来は年2回の石綿健診が必要かもしれません。

Question

実は学生の時、アルバイトで病院のお風呂と思われる場所を解体する作業を1日だけ行いました。2時間ぐらい壁に付いたアスベストと思われる物質を削岩機みたいな機械で除去する作業をしました。あまりにもまずいと思ったので、雇い主にマスクの支給を要求したところやっと買いに行ってくれ、しばらくしたあと装着し作業を続行しました。粉じんはかなり吸い込んだ記憶があります(咳き込むほどではありませんでした)。①もし壁についた物質がアスベストであるならばこの程度の作業で中皮腫などの健康被害がおこる可能性がありますでしょうか? ②もし可能性がある場合、検査で発見は可能でしょうか? 会社の健康診断で胸部レントゲンで問題があったことはありません。

Answer

大変難しい質問です。

第一に、石綿(アスベスト)吸入の量や濃度を推定する事自体が、前例や測定例がなく困難で答えられない場合や、濃度の時間的推移が不明で答えにくい場合があります。石綿(アスベスト)肺は、概ね10年以上の職業性石綿(アスベスト)曝露を受けた人にのみ発症することです。悪性中皮腫、石綿肺ガンや胸膜肥厚斑等は低濃度の短期曝露で発症が知られています。

第二には、現在の一般大気中の石綿(アスベスト)濃度をバックグラウンドとして考える事です。日本の都市では現在0.2~0.3f/L以下の大気中石綿(アスベスト)濃度の環境が多いと思います。残念ながら私たちは毎日息を吸う中で、石綿(アスベスト)をさほど危険と思わずに吸入してきています。成人は1分間に5Lの大気を吸入するので、1年に吸入する石綿本数=(0.2~0.3)[本/L]×5[L/分]×60[分]×24[時間]×365[日]=(525,600~788,400)[本]となります。(数式中の[ ]内は単位)。1日に1500~2000本以上、1年で50万本から80万本の石綿(アスベスト)繊維を日本人は吸入しているわけです。もしあなたが石綿製品の側で石綿(アスベスト)繊維が500本/Lの環境に1時間いたとすると、吸入した石綿本数=500[本/L]×5[L/分]×60[分]=150,000[本](15万本)となります。大気中の石綿(アスベスト)の3ヶ月を1時間で吸入したわけです。人生が仮に70年とすると、大気中から吸入する石綿(アスベスト)の量が、3500万本から3515万本に増えたともいえます。この程度なら心配ないという考え方もあると思いますが、皆さんはいかがでしょうか? 肺ガンや中皮腫には閾値はないという考え方もあります。吸入した濃度と時間に応じて発病のリスクは増加するわけで、曝露が数日や高濃度曝露になれば1日でも許容できないリスクと感じる方が増加するのが当然です。健康リスクを高めたことは間違いなく、この曝露が原因での発症もありえるでしょう。避けられたリスクを高め、許容できないという方もいるでしょう。リスクをどの程度から許容するのかは、大変難しい問題です。②潜伏期がありますので、吸入してから20年や30年以内に病気がおこる事は稀です。仮に濃度が高くても、吸入30年以降からの健診が必要でそれ以前の健診はあまり意味がありません。

Question

一週間前、マンションリフォームのアルバイトをしてその際天井の一部にアスベストが使われていました。呼吸困難がアスベストを吸った直後からおこることなどあるのでしょうか? この息苦しさは何でしょうか。一日だけアスベストを吸っても確実に中皮腫にかかって死ぬのでしょうか。

Answer

1日の天井の一部のアスベストの吸入で発病する事は、まずゼロと考えて良いと思います。心配は不要です。どうしても心配な感じが続くなら、詳しい医療機関をご紹介いたします。

Question

いまから20年前大学生の時にアルバイトとして約1ヶ月の駅西口にあるAホテルの工事現場にて天井や壁に吹き付ける作業の手伝いを行いました。灰色の大きな綿のような立方体の塊を細かく砕いて機械の中に放り込むという作業でした。機械でさらに細かくし作業員の方がホースを持ち天井や壁に吹き付けていました。作業当時は喉、皮膚にちくちくする痛みがありました。吹き付けたものにアスベストが含まれていたか大変気がかりです。どうすれば知ることができるかお教え願えないでしょうか。

Answer

①1983年の岩綿(ロックウール)吹き付け1ヶ月との事です。まず、石綿含有の有無を、当該ホテルに確認してみて下さい。100%岩綿なら、中皮腫のリスクはゼロです。石綿肺は1ヶ月ではないでしょう。肺ガンのリスクが少し増加くらいです。

②石綿含有岩綿とすると、高濃度の石綿を1か月吸入しています。1ヶ月ですのでわずかですが、一般の方より石綿関連疾患になりやすい可能性は確かです。

まずは、どちらだったのか、ご確認頂く事です。

Question

子供(学生)についての相談です。昨年登録制の日雇いのアルバイトで解体を手伝いました。ビルの地下で深夜から朝までの仕事(一晩のみ)でした。大変汚く埃もひどかったようです。そのようなアルバイトは初めてでしたので、TシャツにGパン、マスクすらしていたかどうか記憶にないそうです。勿論アスベストを解体したかどうかはわかりません。新聞記事を読みますとアスベストは吸い込んだ量が少なくても発病することがあるようですし、症状が出てからでは手遅れのようです。また、潜伏期間が長いとのことです。子供はこれから仕事や家庭を持つことでしょう。あまり神経質になるのもいかがなものかとも思います。定期的に検診などを受けた方がよいのか、気にせずに生活して差し支えないのかお伺いします。

Answer

石綿吹き付け除去でなく、仮に石綿含有建材があった場合でも1日勤務という事です。濃度は石綿建材でさまざまですが、わずか1日であり、石綿関連疾患のリスクの上昇は大変少ないと思いますので、当面はあまり気にせずに生活されて良いと思います。この点のお考えを整理するには、次のHPをご覧ください。 「もし石綿製品の側で石綿(アスベスト)繊維が500本/Lの環境に1時間いたとすると、吸入した石綿本数=500[本/L]×5[L/分]×60[分]=150,000[本](15万本)となります(数式中の[ ]は単位)。子供さんは8時間、120万本となります。大気中の石綿(アスベスト)の3ヶ月を1時間で吸入したわけです。人生が仮に70年とすると、大気中から吸入する石綿(アスベスト)の量が、3500万本から3620万本に増えたといえます。この程度なら心配ないという考え方もあると思いますが、皆さんはいかがでしょうか? 健康リスクを高めたことは間違いなく、この曝露が原因での発症もゼロではないでしょう。避けられたリスクを高め、許容できないという方も当然いると思います。健康診断を数十年後に受けることも、健診のリスクを勘案して考えてもよいかもしれません。

http://www.asbestos-center.jp/asbestos/qanda.html