Question

子供の通学路で解体が行われ、学校の帰りに解体現場の近く、(100m程離れている場所)で30分ほど遊んで帰ってきたとの事でした。解体現場を見に行ったところ、簡単な網に覆われているだけで、アスベストが使われていたら怖いなーと思われる状況でした。問い合わせたところ、「吹き付けアスベストは無いが、建材等に含まれているかは分からない」との回答でしたが・・・解体業者がきちんとした対応のもとで、解体をしていると信じたいのですが、中には、いい加減にしてしまう業者があるということを、悲しい事に耳にしてしまうので不安に思ってしまいます。もしもかりに、いい加減な業者がなんの対応もないままアスベスト建材を解体していた場合30分ほど、周囲で遊んでいただけで、今後の健康状態に影響がでるようなことになってしまうのでしょうか? 教えてください。不安で心配で、いてもたってもいられません。

Answer

アスベストの低濃度リスクに関しては、本書のP89~P103をご覧ください。その上でご心配な場合は、再度ご連絡下さい。

http://www.asbestos-center.jp/asbestos/qanda.html

Categories A)-1環境

2009年段階の内容です。

Question

生まれてから数年間住んでいた家のとなりに、石綿ゴム製造工場がありました。下町で家や工場も密集し以前隣はアスベストを使っているとの親の言葉を思い出しました。工場はずいぶん以前から操業し、近所、従業員、事務員、社長など、誰も肺の病気になったことはなく、これまでみなさん健在のようです。

Answer

アスベストは直接使用した人でなくても、周囲の人には低濃度で中皮腫や胸膜肥厚斑が生じる物質です。直接ご使用された人がたまたま、じん肺等にならずも、周囲の方に中皮腫が生じた例は数多くあります。御心配の方はアスベストに詳しい病院を受診して、石綿関連疾患をチェックして下さい。

Categories A)-1環境

2009年段階の内容です。

Question

水道水にアスベストが含まれているそうですが、日本の水道水の濃度を教えてください。水道水の高い地域の水を食事や入浴で使うと、家の中の濃度はどうなるのでしょうか? その水道水を使った加湿器(特に超音波式)が危険という論文を目にしました。自分は昔かなりの期間超音波式加湿器を水道水で使っていました。やはり超音波式加湿器は危険なのでしょうか?

Answer

東京都の1989年の島嶼や多摩地域の水道用原水の石綿繊維は、定量限界(7,500本/L以下)の原水が小笠原、新島、利島で見られたが、大島3万本/L、三宅島75,000本/L、奥多摩町や桧原町で112,500~120,000本/Lでした。繊維サイズは長さ0.2~1.0μmや1.0~5.0μmがほとんどで、5.0μm以上は検出されず、繊維はクリソタイル (白石綿)でした[*1]。秋田のクロシドライト (青石綿)石綿水道管使用地域の石綿繊維は2,7万~27万本で、繊維のほとんどがクロシドライトでした。一方水源は同じですべて塩ビ管地域の石綿繊維は、検出されませんでした[*2]。活性炭のみ使用した浄水器は長さ10μmの石綿繊維は除去されるが長さ0.2~1.0μm未満や1.0~10.0μm未満の石綿繊維は除去されません。活性炭と直径0.01~0.1μmの中空糸膜を使用した浄水器では長さ10μm以上、長さ0.2~1.0μm未満、1.0~10.0μm未満の石綿繊維のすべてが除去され、石綿繊維は検出されませんでした[*3]。水道水中の石綿濃度が高い家だと空気中の石綿濃度はどうなるのでしょうか? 水道水中の石綿が17~31.0百万本/L(クリソタイル16.0~29.3百万本/L、角閃石系1.6~1.7百万本/L)の家の、空気中の石綿濃度は0.073~0.19f/cm3、0.15~2.6百万本/L(クリソタイル0.14~2.47百万本/L、角閃石系0.0~0.15百万本/L)の家の空気中の石綿濃度は、0.028~0.046f/cm3でした[*4]。建材等の石綿飛散元は想定しにくい家で、水道水の石綿が家屋内に飛散したものと考えられました。加湿器の水道水の石綿濃度に対応して超音波加湿器からの大気中石綿濃度が高くなると報告されています[*5]。0.001BAS/Lで0.003structures/cm3, 0.01BAS/Lで0.029structures/cm3, 0.0875BAS/Lで0.25structures/cm3, 1.8BAS/Lで5structures/cm3, 10BAS/Lで29structures/cm3, 140BAS/Lで406structures/cm3でした。確かに加湿器の石綿は部屋の空気の濃度を高くしますが、すぐ大気等に拡散し濃度は低くなります。著しく高濃度の石綿が含まれた水の超音波加湿器使用は問題ですが、日本の水道百万~1000万本/L(0.01~0.1BAS/L)ならばリスクは少ないように思われる結果です。地域の水道とそのパイプの劣化の確認が問題でしょう。

[*1] 小輪瀬勉他、水中のアスベスト繊維に関する調査研究(第2報)、東京衛研年報、39,259-263,1988

[*2] 斉藤勝美、アスベストセメント管に由来する水道水中のアスベスト繊維濃度とその形態、日本衛生学雑誌、47、851-860、1992

[*3] 小輪瀬勉他、家庭用浄水器によるアスベスト繊維の除去試験、東京衛研年報、39,259-263,1988

[*4] Weber JS et.al., Asbestos-contaminated drinking water:Its impact on household air Environ Res 46(2) 153-167. 1988

[*5] Hardy RJ, Indoor Asbestos Concentration Associated with the Use of Asbestos-Contaminated Tap Water in Portable Home Humidifiers,Environ Sci Technol, 26 (4), 680-689,1992

Categories A)-1環境

2009年段階の内容です。

Question

施設アスベストについて質問します。数年間通っていた公共施設のスポーツジムが最近アスベストが使用されていたということで改築のため閉鎖されました。私は週に2回程度2時間ぐらい通っていました。一応「健康被害はありません」みたいなことが立て看板に書かれていますが、アスベストが使用されている施設利用の健康被害というものはどの程度なのでしょうか?

Answer

アスベストが使用されている施設を時々利用された方の健康被害については、今のところ発症したという報告は確認されていません。しかし、アスベスト粉じん濃度と滞在時間との相関関係でアスベストリスクは発生します。施設の利用時のアスベスト粉じん濃度を測定し、利用者に情報を公開することは重要です。疾病は長い潜伏期間後現れるので、自覚症状等が無い場合、今後の定期健康診断などのおりに問診の際、医師にお話しする程度でよいと思います。

Categories A)-1環境

2009年段階の内容です。

Question

自動車で雪道を走行するタイヤとして、スタッドレスタイヤがあります。最近タイヤゴムの表面に小さな針のような無数のガラスを埋め込んで、氷上でのグリップを高めたタイヤ製品が出てきました。しかし針のようなガラスは、タイヤが磨耗されるにしたがって、露出、毀損、切断され、空中に飛散するのではないでしょうか。その破片は空中に舞い上がり吸引すると、アスベストと同じように健康に害があるのではないかと思いますが、いかがですか?

Answer

ガラス繊維を扱う職業の方には以前からじん肺という病気が知られています。これは粉じんが肺の中に積もり引き起こしてしまうものです。また職業曝露では肺ガンの可能性もあります。アスベストのみならず、いわゆるほこりは吸ってよい物はありません。但し環境での低濃度曝露では、濃度が低いのでじん肺や肺ガンにはまずならず、またガラスで中皮腫や胸膜肥厚斑にはならないと考えられています。

Categories A)-1環境

2009年段階の内容です。

Question

自宅横に隣接した1mもない距離の、木造でかなり古い2階建ての住宅が解体され、新築一戸建てが2棟建ちました。文化住宅の解体時にアスベストが飛散して、洗濯物に付着したり戸内へ入って来ていないか教えてください。新築一戸建ての建築時には網ネットのようなものを張っていましたが自宅ベランダや脇の駐車場に止めてある車に目視してはっきりわかる量の木屑等が飛散して付着していました。この時期の新築一戸建ての建築時にアスベストが飛散するような事はあるのでしょうか? 小さい子供と私の今後の危険はどのくらいでしょうか?

Answer

古い木造住宅であっても石綿スレート板などは1910年代から石綿を含有している製品があり、石綿含有建材を使用していた可能性はあります。このような建材を解体するために破砕しながら除去すると、作業場の空気中の石綿濃度は1リットル当たり数千本程度になることがあります。発生した石綿は空気の流れにより運ばれるので周辺では洗濯物に付着したり、戸内に入ることはありえます。新築については、2004年10月まで石綿含有建材が製造されており、その後も流通していた可能性があるので、それまでに建てられた建物には石綿含有建材が使用されていた可能性があります。新築時に石綿含有建材を切断研磨した場合も石綿が飛散している可能性があります。新築でも解体でも石綿含有建材を切断や破砕する場合はそれにより石綿の粉じんが飛散して、作業している人だけでなく周辺の居住者が曝露(石綿粉じんを吸い込んでしまうこと)してしまう可能性があります。危険の程度については解体された建物と新築された建物の含有建材の使用の有無と程度が不明の場合ははっきり示すことはできませんが、一回限りの曝露が原因で病気になる可能性はほとんどなく、曝露が繰り返されることにより少しずつ病気になるリスクが増加してゆくと考えられます。

Categories A)-1環境

2009年段階の内容です。

Question

石綿セメント管を使うなどして、上水道にアスベストが含まれている場合飲料水としては問題ないということですが、水で洗濯などをした時水だけ乾燥した後衣類などに残って周りに撒き散らすことになっているのでないか心配しています。1リットルに何十万本もの石綿繊維があるなどの記載があり、乾燥した後の飛散について検証・考察した様子がなく不安です。何十万単位で飛散するとなると恐ろしいことになっていはしまいかという考えが出てしまいます。

Answer

ニューヨーク市ウッドストックでは石綿セメント管由来の石綿が高い地区とされ、クリソタイル (白石綿)が0.7~1700百万本/L、クロシドライト (青石綿)等角閃石系石綿が0.29~148百万本/L(0.0も4地区あり)の結果となっています[*1]。水の中の石綿が高濃度になる由来としては、土壌の石綿から湖や川への流入、アスベスト水道管からの剥離等による濃度の上昇が疑われています。水のアスベスト自体は飲食では問題ないとされています。水道水中の石綿が17~31.0百万本/L(クリソタイル16.0~29.3百万本/L、角閃石系1.6~1.7百万本/L)の家の、空気中の石綿濃度は0.073~0.19f/cm3、0.15~2.6百万本/L(クリソタイル0.14~2.47百万本/L、角閃石系0.0~0.15百万本/L)の家の空気中の石綿濃度は、0.028~0.046f/cm3でした。建材等の石綿飛散元は想定しにくい家で、水道水の石綿が家屋内に飛散したものと考えられました[*2]。常時この濃度とすると健康障害が生じる濃度なので、気になる結果です。現在日本の大気には、0.1~0.3本/Lの石綿繊維があり、水道の水は乾燥して大気に飛散し一時的に室内は濃度が高まりますが、拡散し大気濃度に近づきくと推定されます。同様に大気中の石綿が衣類についたり飛散したりも絶えず起きている事と推定します。吹き付け石綿は洗濯でほとんど衣服に残らない事が報告されています[*3]。こうした大気、生活、水間の研究が少ないのが一つは問題です。

[*1] Weber JS et.al., Asbestos in drinking water supplied through grossly deteriorated A-C pipe.J Am Water Works Assoc 81(2).80-85.1989

[*2] Weber JS et.al., Asbestos-contaminated drinking water: Its impact on household air Environ Res 46(2)153-167.1988

[*3] Robert N Sawyer et al Asbestos Exposure in a Yale Building Analysis and Resolution, Environmental Research: Vol13 P146-169, 1977

Categories A)-1環境

2009年段階の内容です。

Question

石膏ボードのリサイクル工場の近くに住んでいます。工場のシャッターは開いており、車の出入りの際、粉じんがひどいです。A県は「アスベストはない」とコメントしていますが調査も曖昧です。

Answer

石膏ボードにはS60年の一時期のみアスベストが入っていましたが、それ以外の時期であれば安心してください。石膏ボードの資料を送付します。環境団体と共に、自治体と交渉、住民による監査請求、労基署への調査依頼が必要になるかもしれません。

Categories A)-1環境

2009年段階の内容です。