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低濃度~中等度の職業性石綿曝露があったと思われます。石綿関連疾患になりやすい方ですので、アスベスト疾患に詳しい医療機関を受診して健診を年2回定期的にうけてください。石綿健康管理手帳制度の対象になる場合が多い様に思います。
厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153
Questions and Answers to Risks about Asbestos
Question
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低濃度~中等度の職業性石綿曝露があったと思われます。石綿関連疾患になりやすい方ですので、アスベスト疾患に詳しい医療機関を受診して健診を年2回定期的にうけてください。石綿健康管理手帳制度の対象になる場合が多い様に思います。
厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153
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現在の仕事内容、環境等を記録しておいてください。将来、仮に発症した場合に役にたちます。また、タバコは吸わないようにしてください。
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スレートなどのアスベスト含有建材を破砕しながら除去するとアスベスト粉じんが飛散することが知られています。バールなどで破砕しながら除去作業を行うと、リットルあたり数千本のアスベスト繊維が発生します[*2]。例えば仕事でアスベストを使用して1リットル当たり150本のアスベストに曝露する場合、一日8時間週40時間の曝露を50年間続けた労働者の1000人に一人はガンを発症するとされています[*1]。仮に石綿含有スレート材の破砕除去時に1リットル当たり1500本の石綿に同様の条件で曝露した場合は100人に一人ガンが起きる可能性があります。このような作業は実際には毎日8時間おこなうわけではないですが、こうした高濃度の曝露が度重なることにより数十年後にガンを発症する可能性が増していきます。除去作業の周辺での濃度は作業場と比べて10分の一から1000分の1程度かもしれませんが、発ガンリスクを上げることは間違いありません。以上から「石綿障害予防規則」や「大気汚染防止法」などにより建築物の解体・除去作業の際のアスベスト粉じんの飛散防止対策についての規制があります。スレート板の場合は散水などにより材料を湿潤化して飛散を抑制し、さらに破砕せずに除去することが必要です。これらの対策が適切に実施されれば、気中石綿濃度は上昇することなく、作業する人も周辺の住民も石綿に曝露されることはありません。
[*1] 日本産業衛生学会による許容濃度の勧告、クリソタイルの場合
[*2] アスベストセンターホームページ 様々な建築アスベスト濃度
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他の鉱物の鉱脈の近くに石綿の鉱脈があれば、当然吸入する事があります。クロムの採掘で石綿を吸入するわけです。可能性は十分ありますので、以前お勤めの鉱山とその土壌の岩石を図面や実物で調査してみましょう。
厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153
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白石綿の袋からの投入作業では、周囲に目に見えない石綿が拡散していたのは明らかです。投入場所が高濃度で、数十m周囲の方も数十から数百繊維/Lとなったと思います。1日に何度も投入作業があれば、工場の一定範囲が1日中ある程度の石綿濃度であったと思います。
厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153
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発電所や変電所(変電室)は、吹き付け石綿やその他の石綿建材が多い所として知られています。詳しくは、石綿曝露歴の手引き(厚生労働省)を参考にしてください。
厚生労働省石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会編.石綿ばく露歴把握のための手引-石綿ばく露歴調査票を使用するに当たって-;2006:1-153
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漁業の石綿間連疾患の論文はないようです。しかし大型漁船では排気管、機関、煙突、冷蔵庫、冷凍庫等に石綿(アスベスト)製品が使用されているので、保守管理等や造船所での点検時等で石綿(アスベスト)曝露があるという関係者が見られます。加工で使用した乾燥機の石綿使用も知られます。また漁閑期の作業として建築業や発電所に勤務して石綿(アスベスト)作業がある漁業関係者で、胸膜肥厚斑が認められていますので、そのどれかに該当されているのではないでしょうか? 今後、漁業での中皮腫の発症がありうると思います。
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1990年代後半の論文でも、職業が農業である中皮腫が報告されています。中皮腫事例の石綿曝露箇所は不明ですが、農業自体なのか、農閑期の建築業や出稼ぎでの建築等の作業等が想定されています。農業では、石綿スレート板製品や吹き付け石綿、タルク他様々な石綿製品がありますので、今後あらたな曝露形態が判明するかもしれません。
Question
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農業用水には石綿水道管が大量に使用されてきました。畜舎や養蚕用に、石綿スレート製品が大量に使用されてきました。農業関連建物に、吹き付け石綿が使用されてきたものも2007年現在で残存しています。農薬にタルク等が使用され、一部に石綿含有があったとされています。農業用機械のブレーキ等一部に石綿製品が使用されてきたとされています。土壌自体での曝露は日本では報告事例は論文としては、ないと思います。
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2005年6月のクボタ・ショック直後に国土交通省がJRなどの鉄軌道事業者や鉄道車両等製造業者を対象として実施した調査(国土交通省HP「運輸関連企業に係るアスベストによる健康被害等の状況に関する調査について」)では、全国の少ないからぬ駅舎で耐火被覆材や吹き付け材として使用されたアスベストが旅客用のスペースに露出していたことが報告されています。車両については、床下の抵抗器や配電盤などの断熱材としてアスベストがまだ多くの車両で使用されていたことが同調査で報告されていますが、旧国鉄時代には、車両の壁面内部に大量に吹き付けアスベストが使用されていたようです。これは、国鉄民営化後の1988年当時旧労働省が鉄道車両の解体等に伴って石綿を除去する作業の曝露防止対策の通達を出していたことでも明らかです(「石綿除去作業、石綿を含有する建設用資材の加工等の作業等における石綿粉じん曝露対策の推進について」(基発第200号昭和63年3月30日)。